●
名古屋工業大学生協 ユニセフ検討会
Comittee of UNICEF Collaboration Project
Nagoya Institute of Technology Co-operative
●
現在、地球上では地雷によって年間26,000人もの人が地雷によって死傷しています。また、現在地球上に埋められている約1億もの地雷が、第3世界の発展を阻害しており、事態は深刻です。なぜこんなことが起こってきたのかを、このページで紹介します。
対人地雷(Anti-personnel Landmine)とは、人間を主標的とした、一般的に破壊力の小さい地雷の事を指します。ここでは、どんな地雷があるのかを以下に紹介します。
対人地雷の種類
地雷を踏む事によって爆発し、その破裂が人間の下半身を奪う。
地雷内部に無数の破片を埋め込み、爆発によってその破片が人間の下半身、胃、胸部などに致命的ダメージを与える。
地面に仕掛けて張ったワイヤーを引っかけたと同時に最初の爆発が起こり、それによって胸の高さ(1〜1。5mぐらい)に飛び出した爆弾が二度目の爆発を起こし、広範囲にわたって破片を飛散させ、周りの人間に致命的ダメージを与える。
第一次世界大戦が勃発したとき発明された戦車は、防禦性も高く機動力もあり、戦闘の主流として普及しました。
そして、それと同時に戦車を破壊する手段として、地雷が用いられるようになったのです。
これらの地雷は、形も大きく目立つため、簡単に除去されたり、逆に敵の手によってその地雷を自分達に仕掛けられたりする事もありました。
そこで、敵が地雷を除去するのを防ぐために発明されたのが対人地雷なのです。
第二次世界大戦までに、対人地雷は改良を重ねられ、戦略の主要な位置を占めるようになり、ポーランド、ロシア、韓国で広く用いられるようになりましたが、それは兵士を標的にしたもので、軍事目的にのみ関係して用いられていました。
冷戦時代の1960年代、ソビエト社会主義勢力のラオス・カンボジア・ベトナムへの介入に関連して、アメリカ軍が攻撃を行ったとき、何千もの地雷が飛行機から投下されました。その時には、毎日200万ドルもの爆弾が投下されたといわれています。しかし、カンボジアはさらに多くの地雷が広範囲に、そして無差別に投下されたといわれています。
ソビエトが1979年にアフガニスタンに侵攻したときには、無差別標的の地雷敷設が国際世論からも容認されていました。
地雷の最も多く残っている国
地雷が問題になっている国
そして、これまでに100万人もの人が対人地雷によって命を落としています。また、30万人もの子供たちが手足を失うなど、障害者として暮らしており、まともな仕事に就く事ができない彼らは困窮に追い込まれています。
また、地雷が多数あるために土地を農場として安心して使用できないなど、発展途上国の食糧生産にも支障をきたしています。カンボジアやアフガニスタンでは、35%もの土地が地雷の危険性のために使用不可となっています。
このようにして、今なお多数残る地雷が発展途上国の発展を大きく阻害している原因の一つになっているのです。
現在、世界中で1億1000万もの地雷が埋まっているといわれており、さらに1億もの地雷が保管されていると見られています。年間500〜1000万もの地雷が毎年生産されており、年間50〜200億円もの軍事産業になっています。そして、これらの地雷を生産している国々の中には、武器を重要な外貨獲得元としている発展途上国に加え、本来過去に多数の地雷を敷設して責任を負わなければならないはずの大国の名前が見られます。
主な対人地雷生産国
ユニセフでは、1992年以来地雷の認知を高めるためのキャンペーンを展開し、192の地雷危険地帯に10,000もの警戒標識を立てました。しかし、森林資源の伐採を主要な資源としている発展途上国では、彼らが生計を立てるためにこれらの標識を無視したり、取り外したりして立ち入る人が後を絶ちません。
そこでユニセフでは、地雷の知識普及のための移動チームを結成し、各国へ派遣する事にしました。彼らは、現地の首長やヘルス・ワーカーを教育し、1993年までに5,000人もの人々を訓練しました。移動チームはさらに、警戒を促すパンフレットや図などの啓発用ツールを用いてこれ以上の災害を防ぐよう呼びかけています。パンフレットには地雷を見つけたら地雷処理班に電話をするよう電話番号が記されています。
このように、地雷による被害を防ぐための教育を行うような短期的処方に加えて、地雷を少しずつ除去しながら元の使える土地に戻していく事も大切ですが、それ以上地雷による惨劇を増やさないために、地雷自体を使わない・作らせないようにしていくために、国際世論を高めていくことも大切です。
参考メディア&リソース
今回のこの資料の作成に当たっては、第3世界の援助のために活躍しているNGOの活動をインターネット上で紹介しているOneWorldのホームページを参照しました。イギリスのユニセフ委員会のページも、ここから見る事ができます。